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城崎にて


そこは外湯を楽しむ、若い人からお年寄りまで、日本人から外国の方まで、酔客からそぞろ歩きのカップルまで日本の伝統と温泉を楽しむ人々が数多くいました。私たち6人はこの地で志賀直哉の小説のように生死の問題を考えようとしたのではなく、ただなんとなく温泉を楽しもうと思って出かけて行きました。 最初は福井県に行って魚料理を食べようとしたのですが、なんとなくそれならばもう少し足を伸ばして有名な城崎温泉行きはどうだろうかという具合で簡単に旅行先が決まりました。道中大きなトラブルが発生しました。 車のラジエーターの水漏れ。ちょうど天橋立についた午後1時頃急に車のエンジンが止まり動かなくなりました。運良く観光案内書の駐車場に車を入れることができて、お昼を食べている間にJAFの故障サービス車に

来てもらい、応急措置ができました。10キロ程先の町豊岡市に行ってディーラーにみてもらうよう助言があって探しましたら、殆どがその日休業日という不運に見舞われ、運良く掴まえた方に休んでいないディーラーを教わり一難がさりました。 そんな+ことで予定時刻に大幅に遅れ、城崎に着きます。山の中から急に平地に出たと思ったらゆったりと流れる川に出会い、その向こうに旅館らしい建物が点在します。そこをゆっくり走ります。温泉街に入ると川沿いの 両側に温泉旅館、そしてそぞろ歩きの浴衣の人たち。カランコロンと下駄の音も響きます。こんな風景の空気に似つかわしくない車で「なんか、すごいね」と感嘆しながら進み、旅館に至ります。説明されると合点がいきますが旅行客は7箇所ほどの外湯を楽しんでいるのです。早速最も近い外湯に出かけます。「うんいいね」 食事には年配の係りの方がいて、色々な話が弾みました。その方いわく「最初に会った時の笑顔が心地いい方は皆さん良い方です」っと。慌てて自分たちはどんな顔してた?自動車の故障でひきつった顔してなかった? いろいろな話に花が咲いてゆっくりと話せました。翌朝は2箇所の外湯も楽しみました。建物も情緒一杯で、道後温泉だったか有名な温泉と同じようでした。 夜旅館街を歩いたとき外国の方が目立ちます。遊技場と書かれた射撃場から出てきたカップルに話しかけるとイスラエルからのカップルでハネムーンに日本に3週間ほどきたそうです。女性が子供の頃から日本への憧れを持ち、来日したいという希望がかなったそうです。あと一人旅のアメリカから、フランスからの青年でした。興味深いのはすれ違ったカップルが、英語のようなそうでもないような会話をしていたので声かけると女性がスペインで男性がイタリア人でそれぞれの言葉で話、理解できないときは英語で話すということでした。 これには驚きました。いずれにしても外国から色々な興味やきっかけで来日しているのだと改めて感じました。 途中でラジエーターの水が漏れてJAFを呼んで修理するというハプニングで時間が大分失われましたが、全体としては楽しく、無事に旅行できました。


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